新社屋竣工、9月30日に完全移転しさらなる飛躍を

製鉄所やごみ焼却施設、バイオマス発電所などで発生する粉じんや有害物質を除去するための集じん装置のほか、船舶の燃料である重油を温める用途に使用される熱交換器(カジワラヒーター)など自社製品の製造を手がける(株)梶原鉄工所。

なかでも、「カジワラヒーター」は2022年までに約8万台を製造・納品し、国内シェアは約80%を占める。また、高い熱交換効率により燃料消費量、CO2排出量を削減した省エネ型の燃焼式脱臭装置「KJ蓄熱式脱臭装置」、不純物が多く処理が難しいプロセスにおいて長期的に安定運転が可能な燃焼式脱臭装置「KJ直焔式脱臭装置」も得意先からの支持を得て、豊富な納入実績を誇っている。

当社は、1915年(大正4年)に創業され、当初は圧力容器やボイラーを製造。1936年(昭和11年)に姫路市飾磨区恵美酒に移転し87年が経過している。鉄工所にルーツを持つ当社は、大型クレーンなどの設備を有し大型製作物に強みを持ち、時代の変遷とともに主力の製作物もディーゼル用掃除空気溜、架構、舶用油焚ボイラーなど変化を遂げてきた。

ただ、時代の変遷は製品だけでなく、周辺事情にも変化をもたらし、本社周辺は住宅地へと変貌した。増築を繰り返し、製作能力を高めるとともに周辺住民からの理解を得ながら営業を続けたが、得意先ニーズの多様化と製作能力の向上を目指す当社にとって、移転は長年の念願であった。

2023年(令和5年)5月16日に、晴れて新本社および本社工場が竣工。部署ごとに順次移転を進め、9月30日に完全移転した。姫路バイパス姫路東インターチェンジから南下し、車で10分程度とアクセスは良好。敷地面積は10,667平方メートル、延床面積は7,052.62平方メートルに及ぶ。移転に伴い設備レイアウトも抜本的に見直し、自動化・ロボット化も推進し生産性を向上させていく計画である。

省エネ装置である熱交換器、環境配慮に欠かせない集じん装置、有害物質を吸引、燃さr焼させる脱臭装置を手がける当社にとって、環境保全や省資源の潮流はビジネスチャンスと言える。「次の100年は環境とエネルギーをテーマに切り拓いていきたい」と梶原社長。完全移転しさらなる進化を見せる当社に期待が掛けられる。

(2023年10月2日 TEIKOKU NEWS 兵庫県版に掲載)

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