航空機部品加工参入へ

5年後めど
難素材切削に新設備

産業機器製造の梶原鉄工所(姫路市)が、航空宇宙機器の部品加工に参入を目指している。航空機向けのチタン合金など加工が難しい素材を切削するため、あらゆるものをインターネットにつなぐ「モノのインターネット(IoT)」対応の数値制御旋盤を本社工場に導入。今春ごろから試験を始め、5年後をめどに本格生産に着手したい考えだ。

同社は1950年設立。資本金2800万円、従業員92人。船舶用の熱交換器や製鉄会社向けの集塵機などを手がける。数年前から、航空機部品の製造設備向け部品を大手メーカーから受注し、実績を重ねてきた。既存の市場は成熟しており、部品加工のノウハウを生かして、今後の伸長が見込める航空分野への参入を目指すことにした。
既存の設備では複数の工程が必要となるため、新たな設備を導入した。新設備は直径163cm、高さ90cm、最大重量5tの素材を切削加工できる。既存の加工機の稼働状況もネットを通じて把握でき、生産性向上にもつながる。日本政策金融公庫神戸支店の「新事業育成資金」から2千万円の融資を受けた。
今後、航空関連機器の生産に必要な国際認証「JIS Q 9100」を取得する方針。営業活動も強化する。
大明賢取締役は、「航空機部品の加工は、求められる精度がかなり高度だ。ハードルは高いが、何とか5年以内に量産体制を整えられれば」としている。

(2017年2月8日 神戸新聞に掲載)

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